農機具から見る農業の「いま」と「これから」

文明が発達したひとつのきっかけとなった農業は、現代においても多くの人口を支えるために必要不可欠な営みです。日本でも稲作をはじめとした農産物により、安全で安心な食料を口にすることができています。
しかし、時代の変化の中で、農業離れなど、農業にも様々な問題が浮かび上がってきました。現代の農業にどのような実情があるのか、農業を支える農機具がどのように関わっているのかを交えてご説明いたします。

農機具から見る農業の「いま」と「これから」

現代農業の実情

現代農業の実情

少子高齢化は様々な分野に影響をもたらしていますが、農業においても農業従事者不足の大きな原因となっています。農業には多くの手間や努力が必要であり過酷な作業もあります。
そういった作業の力強い手助けとして農業の機械化が一役買っています。

【従来の農業形態】

特に稲作農家では広大な面積を農地として所有し、父母から息子・娘へと受け継がれる家族経営が多くを占めていました。稲作以外でも大多数の農家が大きな耕作規模で特産物を中心に生産、収穫の後には他の作物を栽培するなど年間を通じて収穫ができるような形態を取っていました。
しかし、農業従事者の減少や収支面での不安から、このような専業農家は減少傾向にあります。

【兼業化が進む農業】

従来は専業農家が主流でしたが、他の仕事を持ちながら小規模農家、中規模農家を営むという兼業農家が増えてきました。また社会的に食の安全が求められるようになったため作物を育てたいという希望を持つ若者が増えています。一般家庭でも職業としてではなく決まったシーズンだけ、休日や休暇だけ畑作業をするという片手間農業や、事業経営の一環として他業種からの新規参入の動きも活発になっています。
このような背景には、農作業の機械化が最大の理由であり、中古農機具の需要も高まっています。

中古農機具の需要が増加している理由とは?

【中古農機具の需要が増加している理由とは?】

  • ノウハウの簡略化、共有がしやすい
  • 従事スタッフの人手不足の解消
  • 作業効率アップ
  • 肉体的負担の軽減

※農作業の機械化により、このような点が実現し、次に挙げる理由から中古農機具が求められています。

  • 費用を抑えることができ、初心者でも農業に挑戦しやすい
  • 日本製農機具の海外人気が高まっている

※数多くの種類がある農機具ですが、多くの農産物に共通してマルチに活躍するトラクターは頻繁に宣伝されていることもあり、特に人気です。
専門性の高い作業機、重機全般も流通しています。

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様々な農業機械と栽培の流れ

様々な農業機械と栽培の流れ

これからの農業に欠かせない農機具は、新規参入を考える方たちにとって大きな支えとなります。初期投資を抑えるために中古農機具の購入を検討する場合もあるでしょう。
農機具にはどんなものが使用されるのか、水稲栽培を例に耕作作業から収穫作業の流れを追って解説していきます。

稲作における作業と機械

稲作における作業と機械

【苗づくり】

苗箱コンテナに土入れし、催芽機を使用して種子を発芽させます。発芽に必要となる灌水・播種・覆土の作業には温度や水質といった細やかな管理が必要となります。発芽後、育苗機で苗を育てます。

【肥料】

耕作地にブロードキャスターなどで散布します。稲の成長のため窒素、リン酸、カリウムなどの必須元素は肥やしとして欠かせません。石灰窒素などの石灰類は土壌のpHをアルカリ性に改良する効果があります。

【土づくり】

トラクターにロータリーを取り付け、地面を田起しします。肥料と空気が混ざり合い根の成長が促進されます。この耕起作業のとき施肥器の付いた大型耕転機を用いることで作業が省力化されます。水田に水を張り、湿田車輪を用いたトラクターで土と水をよく混ぜ合わせ、あぜシート張りであぜから水が漏れるのを防ぎます。

【田植え】

苗を水田に植えていきます。施肥付き、跡消しローター付きの田植機を使用すると同時に肥料を撒くことができますので作業が効率的です。
田植えの1ヶ月後、水を抜いて中干しを行うため水田溝切機を使用して溝を作り、水を抜けやすくします。

【収穫・選別】

収穫にはコンバインを使用しますが、ハイパワーエンジン付きで作業速度をアップすることができるもの、小回りがきいて運転がしやすいものがあります。籾コンテナに集められた籾を籾摺り機で脱穀し、米選別機(ライスグレーダー)にかけて良質な玄米を選別します。重い玄米の袋は自動リフト付き袋キャッチャーの使用で楽に運搬できます。

【処理】

稲刈りの後水田は重機の重さなどで体積が減り高低差ができているので、整地キャリアで水平にします。ポンパ(作業機を昇降するボタン)により操作が簡単です。稲の株が残る耕作地にはかなり凹凸がありますのでキャタピラ付きトラクターの使用で走行しやすくなります。

水稲栽培の場合には、上記のように多種類の農機具が密接に関わっています。その他の作物を生産する際にも多くの農機具を必要とします。例えばエアコンプレッサーを使用したねぎの皮むき機など、各生産物の種類に特化した農機具も開発されています。酪農でも牧草の管理用として重機や建機を使用しますし、除雪のための融雪機が欠かせない地域もあります。また、公道走行ができない農機具の運搬車両が別途必要となる場合もあります。

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これからの農業

これからの農業

これまでご説明したように、どのような作物を栽培するにしても農機具は欠かせません。
しかし、すべてを機械任せにすることも難しいです。また、高額なものもあり購入には慎重になることでしょう。次に、農機具との上手な付き合い方について考えてみましょう。

【手作業との共存】

農機具、荷受け票、荷物管理のデジタルデータ化などのおかげで作業効率化、管理作業の負担軽減に繋がり、農業に対する過酷なイメージも低下傾向にあります。
しかし、各農家の生産物へのこだわりをすべて再現できるというわけではありません。農薬散布の微妙な加減など、手間を掛けることで地域の特徴ある農産物を生産し差別化を図ることが強みにもなります。このような重要な部分は手作業で行い、力が必要な耕耘作業などは機械を使うなど分けるといいでしょう。

【上手な運用】

農機具は決して安いものではありません。耕作地の規模に合わせた大きさ、性能の農機具を購入し、買い換えなどで不要となった農機具は売却することで賢く運用することができます。
特に、一定年数未満の使用であれば、高額で売却できる可能性があります。近所などに農機具の譲り先がない場合でも、農機具の処分に困りません。また、新しく農機具を購入する時も、中古を購入することで経済的負担を軽くすることができます。

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まとめ

まとめ

農業の歩みに適応して農機具は進化してきました。また、産地直結、自然派主義の意識が広がっていることで地域特産の野菜や米など農業が見直される動きも加速しています。そういったことが新規参入のハードルを下げる大きな要因となっています。
手放そうかとお考えの農機具も、これから農業を始めようとしている人が必要としています。不要となった農機具は買取業者へと買取に出すことを検討されてみてはいかがでしょうか。

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